古川和男先生(範士八段)へのインタビュー~ベトナムの剣道発展のため①~
2019年3月22日~24日にかけて、
第二回ホーチミン市オープン剣道大会が行われたのは前のブログでもお伝え致しましたね。
今回はブログでは、大会が行われた際、ベトナムの剣道について、またベトナムや、その他海外での剣道発展のためにはどんな課題があり、どのようなことが必要かということを、大会審判長を務めていただいた古川和男先生(範士八段)に考えを聞かせていただく機会がありましたので、
海外で剣道をされている方、指導されている方は是非ご参考に!
現地の人の真剣さに現地の指導者は応えるためにも、もっと学ばなければならない
筆者:「ベトナムの剣道について、どんな印象を持たれましたか?」
古川先生:「私はベトナムに来て初めてベトナムの剣道を見ました。参加者のみなさんは本当に真剣に勉強しているのが伝わってきます。しかしながら、恐らく本人たちの自覚がないまま、剣道の礼法や所作事に反する行為も見られます。それは現地の方が知らなかったり、現地の指導者の指導が行き届いていないところにあると思います。なので現地で指導的な立場に立つ方たちは、もう一度よく剣道の礼法。所作事、ルールを勉強し、それを現地の方々に伝えていって欲しいと思います。」
日本での当たり前は海外では通用しない。その分丁寧に根気強く指導しなければならない。
筆者:「ベトナムの剣道が発展していくためにするべきこととはなんでしょうか?」
古川:「海外では日本の当たり前が通用しません。日本と生活習慣や剣道に触れてきた時間が違います。日本の剣道家なら、子供の頃から色々な試合に出て、たくさんの先生方や先輩方の指導を受け、見て自然に覚えていくことも、海外ではそういう環境がまずないので、稽古の時も試合の時も違っているのなら即座に丁寧に指導を与えなければなりません。」
筆者:「指導者の姿勢がまずは大事であるということですね。」
古川先生:「そうです。指導者が間違いを間違いと教えなければ、現地の人が間違って覚えてしまいます。現地の方がマナーやルールを知らないのは現地の方のせいではありません、現地の指導者が指導していないからです。」
筆者:「ごもっともだと思います。」
古川先生:「ベトナムは2年後にフランスで行われる世界大会への出場を目指していると聞きました。今の状態では世界選手権に出ても、試合中に礼法の指導をされてしまいます。世界選手権に出るまでに、技術の向上はもちろんですが、剣道の所作事、礼法、試合ルール、審判規則などをしっかり学び、身に付けてほしいと思っています。そのためには現地の指導者が根気強く正しい剣道を指導することです。こちらが真剣に指導すれば、国に関係なく応えてくれます。ベトナムの剣道愛好家の方たちは本当に熱心です。現地の先生方の責任は重大です。」
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